身体症状症・病気不安症とは

1つ以上の身体症状(腹痛、倦怠感、頭痛、歯痛、腰痛、四肢の痛みなど)のため苦痛を感じ日常生活に支障を生じており、その症状に関し過剰な考えや行動、感情を伴います。具体的には、腹痛を訴えて短期間のうちに何度も内視鏡検査を受ける、歯痛を訴えてたくさんの歯科を受診し精密検査を受け、大量に鎮痛薬を処方してもらっている、などです。この場合、いくら精密検査を受けても異常は発見されません。これらの身体症状が6ヶ月以上続くと、身体症状症と診断されます。なお、身体症状はなく、「重病にかかっている」という過度の病気不安、囚われや先入観が続いている状態は病気不安症と診断されます。

治療について

まず、本当に身体疾患がないかを精査するために、内科、外科などの受診により身体疾患をきちんと除外する必要があります。そして、内科医、外科医と連携しながら、患者様の身体症状の訴えに真摯に向き合いながら、症状と心の動きの関連を考慮してゆくこととなります。背後にうつ病や不安障害、認知症などが存在する場合もあるため、常にその可能性についても検討する必要があります。薬物療法に関しては特別に推奨されているものはありませんが、痛みが主な症状である場合はSNRI、SSRIなどを用いることもあります。